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アロマセラピーコース内容


「本格的にアロマセラピーを学びたいんだよねぇ」な〜んて、夢を 膨らませていたのはいいのですが、実を言えば具体的に何を勉強するのか 全く知らず、飛んで火に入るナントヤラ。
まぁ、こんなのやるだろうなぁ・・・と、予想がつくのが、精油の効用の勉強。
毒性なんかもやるだろうなぁ・・・。
それから〜〜、一体何をやるんだろう???

今思えば、貧困な想像力でございました。
以下が私の通ったISPA系の学校の2000年度コース内訳です。
  • アロマセラピー理論(アロマセラピー史、精油学、キャリアオイル学、有機化学、 ブレンディング、植物学、蒸留法)
  • 周辺ホリスティック療法イントロ(フラワーレメディ、リフレクソロジー、チャクラセラピー)
  • マッサージ技術習得、及びカウンセリング法
  • 解剖学と生理学(以下A&P = Anatomy & Physiology)
  • 基礎栄養学
  • アロマセラピー開業の為の諸手続・倫理(保険、患者・施術者の安全の確保、資格取得法、規約)
このカリキュラムをイントロとステージ1〜4の計5コースの中で消化します。
クラスに出ている時間は合計約240時間ですが、 各ステージ終了後、小論文や論文など課題がドっとでるし、解剖学と生理学の補習と、 クラス時間以外にマッサージを積み重ねる「ケーススタディ」が最低60時間分。
学校での授業は、どちらかというと「噺の枕」的存在で、 「道筋はつけたから後は自分でできるわね」と言う事で、頭と体に叩き込む自習が 卒業までの学習の9割を占めます。

実際NZに住んでいる人は、平均2年くらいでコースを終了させている人が大半です。
クラスメートの年齢層は、下は20代後半から上はお孫さんが複数存在する60台まで。
職歴も様々で、現役看護婦、元理学療法士、失業者復職技術指導員、 ワイナリー職員、シングルマザー、フェルト織物アーティスト、ファーマー、 元本屋職員。
流石にこの中の看護婦さんと、理学療法士さんはA&Pは免除になってました。
自分の体調不調がアロマで回復したのが履修のキッカケになっている人も多く、 例えば皮膚のトラブルとか、甲状腺機能低下、肥満、関節痛そして生理痛。

日本人留学生を常時受け入れている英国のアロマセラピー校だったら、 学校側にもそれなりの用意っていうものがありましょうが、 ここニュージーランドもネルソンではそうもいきません。
テキストが英語なのはいいんです、ハイ。
一生懸命、辞書引かせて頂きまっす。
しかし、話言葉が・・・、メディカルタームが頭に入っていない上に、 追い討ちをかけるようなキウイ弁。
そんな、アイアイ言われたら、分からなーい。

始めの頃「Ryokoは質問しないのね。日本の学校では質問しないって聞いた事あるけど そのせいなのかしら」と、聞かれたことがありました。
ううう、チガウー、私だって質問なんかできるもんならやってみたいっ。
エネルギーの120%を「聞く」事に傾けてるから、「口をきく」しかも「質問する」 なんて高等技術できないのぉ。

そこまでして聞いていても、分からないものはワカランのでして、 ステージの2くらいまでは、クラスの全会話をノートテーカーで 録音して、ウチに帰って聞き返したりしました。
これは孤独で、ひたすら時間のかかる作業でした・・・
そのうち、クラスメートの口調や語彙などが掴めてくると、 な〜んだ、ここは世間話じゃないかぁと、 なんとなくウッスラ自信なさげに笑えるようになるのですが、 慣れるまではそれさえも理解不能なものでして・・・。


さて、授業内容は、と申しますと、先ず精油は、亜種やら変種やらも合わせると、 トータル100種類強登場します。
それら精油のラテン語名、セリ科や紫蘇科など科の名前、特色、 効用、禁忌事項、抽出部位、精油の色、香りのノート、特徴的な含有化学物質名、 ブレンドの相性なんかをナニしろグイグイ覚えます。
ラテン語は心配しなくても英語圏の人も発音できません。
当然彼らもウンウン唸ってますから大丈夫。
ニッポンジンはローマ字読みの力技で何しろ乗り切ります。

キャリアオイルも同様、最終的にはヒマシ油や椿油なんかも含め30種類強出てきます。
こっちは精油と違ってラテン語名を覚えたりするよりは、香りや質感、使用時の希釈の仕方、 効用や特微成分、理想的な精製法とか、冷搾と温搾を どうやって見分けるか等が問題となります。

このようにしてアロマセラピー論理が過ぎていきます。
「アロマセラピー百科事典」(by C. Wildwood)や'The Illustrated Encyclopedia of Essential Oils' (by J. Lawless)などの参考書をご覧になると想像に難くない 机の上の勉強です。

どちらかというと、そのウエイトの重さに今更ながら「えっ」と驚くのが、 イントロコースから最終ステージまで メンメンと教えられるマッサージ技術。
問診表の取り方から、それぞれの症状に合わせたブレンドの作り方、そして マッサージと、その後のアドバイス、この4つ。
そうです、これが今後、アロマセラピストとしての仕事内容なのですから、 かなりの時間がこれに割かれます。
先生が見本を見せて、はい実習。
その間先生が見回って、「ココは、も少しコウね」グイグイ。

授業中のボディは概ねクラスメートです。
2人1組になり、1人がパンツイッチョ(揉む部位以外はタオルで隠しますが)の揉まれ役。
みんな修行中ですから、気持ち良いばっかりではありません。
押しつぶされそうになったり、なんとなく筋が違った風になったり。
まさに、肉体派、殆ど格闘技の世界です。
私が「やっぱり学校でプロに教わってよかった」と思うのは、 特にこういう実技面での指導を受けた時でした。

このマッサージ技術をステージ2まで終わらせると、ケーススタディの記録を開始します。
問診表を施術の度につけておき、最終的にその患者に対する自分のトリートメントの 反省やらレポートやらを書くというのが、このケーススタディ。
余談ですが、ISPA (International Society of Professional Aromatherapists)の 最低ケーススタディ要求時間は60時間ですが、NZROHA (New Zealand Register of Holistic Aromatherapists)は今年からその時間数を150時間に引き上げました。
これは多分15人10時間という意味合いでしょうが、一気に2.5倍ですから、大変だなぁこれは。
60時間でも、結構骨の折れる作業でした。
1時間のマッサージを貯めるにしても、延べ60人。
協会側としては、できるだけ色んな人の体に触って、経験を積む様に「ケーススタディ」を 設けているので、最低でも6人以上のボディが必要です。
もうこうなると、「人を見ればボディと思え」が如く、かなり薄い知り合いでも 「ま、マッサージの練習台になってくれない?」と頼みまくる事になり、 ポっと出のガイジンには結構この「ボディの確保」が切実な問題になってきます。
でも、大概「イーワヨー」と、一肌も二肌も脱いでくれるんですよね。
はー、ありがたい、ありがたい。


さて、A&P、即ち解剖学、生理学はアロマセラピーらしく皮膚、嗅覚から始まって、 後はお決まりの骨格、筋肉、神経系、消化器系など全ての系を 網羅します。
どれくらい詳しくやるか、と言うと、例えば手首の骨、 小さな8つの骨で構成されていますが、この8つのそれぞれの 名前を覚える所までは要求されず、8つの骨の総称、手根骨=carpals程度の 知識で大丈夫。
もちろん解剖学大好きだったら、どこまででも深みにハマッてオッケーなのは いうまでもありませんが、テストで試されるのはこの程度です。

私はもともと「生物」(ナマモノ・・・じゃなくてセイブツ)が好きでして、 このA&P、かなり面白かったです。
あ、ナールホドーと何度も「ガッテン」してしまいました。
オモシロついでに最近、廣川書店出版の「カラースケッチ生理学」を購入。
「カラースケッチ解剖学」の方も実はある親切な御仁から頂いてしまった。
これ解剖学と生理学をぬり絵で理解出来る、 アメリカはHarper & Row社から出ている、医学関係者にロングセラーの翻訳版。
畏れ入るのが、その「ぬられる絵」というのが、コンピュータグラフィック ではなくて、手書きのマンガチックな代物なのです。
英語日本語対訳になっているので、これから海外で何故かA&Pを取る はめに陥ってしまう人には、辞書引く手間が省けてなんともありがたい助っ人となる と思います。
アメリカ産のぬり絵ながら、なんとなくモンティ・パイソンの匂いを感じてしまうのは 私だけでしょうか・・・。
「アクティブ  アクチン すべりこみ」な〜んて「チャート式 新生物」(数研出版)も 懐かしくっていいんですけど、ぬり絵は何しろ元祖インタラクティブですから楽しいです。


ええと、気になる試験、「アロマセラピー理論」「A&P」「マッサージ実技」の 3種類、各3時間。
私の場合は「ビザ切れ」が刻々と近付いて来ていたので、 先生にアポとって、ステージ4終了の1週間後から週に1個ずつ消化。
クラスメートは半年程の勉強期間を持って、 その後1ヶ月に1個ずつ終わらせていった様です。

「マッサージ実技」はクライアントを呼んで、問診、ブレンディング、マッサージ、 アドヴァイスの1セット、プラス、 ホンモノの妊婦(しかも、スグにでも産みそう・・・)にも 同様の1セット。
スンマセンネェ、私の試験のために・・・。
ニュージーランドは日本に比べると妊婦が豊富なので、 ボディの入手は比較的楽ですが、そ、それにしても・・・。
この試験中、各部位のマッサージの意味やら、 使用ブレンドの「そのココロは?」など、先生から質問が飛ぶ、というシステム。

筆記の「理論」と「A&P」は、マルチョイなし、「理論」10ページ強、 「A&P」20ページ(図が多い)の膨大な問題と ヒタスラ格闘するというモノ。
これ私がノンネイティブだからキツイのではなくて、 ネイティブでもあの問題量の消化は3時間ではキツカロウ。
実は過去問を貰えたので、かなり対策は出来たのです。
え?私の対策法?それは「秘儀!延髄反射」
考えてる時間、綴りがあってるかなぁなんていう時間はないので、 どれだけ素早く正確に「骨格図」「筋肉図」に名称を入れられるか、 そんな事を「延髄から右手」にかけて繰り返し叩き込む。
いかにもマッチョですねー、やり方が。

試験に受かって、「ケーススタディ」出し終えて、 卒業証明書をもらったら、次は消防署で「救急救命講座」丸2日を履修。
その修了書と、「卒業証書」「ケーススタディ」を全部コピーして、 厚さ1センチにもなる書類の束と 65ポンド分のチェックを英国本部に提出。
何の問題もなければ、目出度く国際アロマセラピストの一丁「アガリ」。
はい、次はプロ・アロマセラピストの「ふりだし」へ行って下さい。


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