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アロマセラピストが、いの1番に勉強して、賢くなる途中色々他に気を移し、 紆余曲折を繰り返し、そして結局ココに帰って来る、そんな精油がラベンダーです。 アロマセラピー(ま、この人はおフランス人だからアロマテラピですが)という 言葉を作ったガットフォセ氏も、ラベンダーオイルとの出会いがあって、 「ガーン」と天啓を受けたんでしたなぁ。しみじみ。 と、言いますのも、香水の研究に日夜励んでいた氏、実験中の爆発事故で手に大ヤケド。 グワー痛いー、カンベン堪らずそこら辺にあったラベンダー精油の原液に手を突っ込んだ、 というか、何しろラベンダーを患部にたっぷり付けてみた。 すると、アーラ不思議、あんなにひどかったヤケドが化膿もせず後も残さず、驚くほど早く きれいに治ってしまったのでありました。 それからというもの、氏は精油の治療学上の特性に注目しアロマセラピーの 誕生に多大な貢献をしたのでした。 どんと、はら〜い ・・・・・・ はっ、終わっちゃいけない。 そう、この20世紀初頭の偶発的な発見がなければ、精油を治療目的で用いるアロマセラピーは なっかなか生まれてこなかった事でありましょう。 が、この氏の行動、偶然にしては出来すぎていて、多分なんとなくラベンダーの効用に ついては薄々感づいてはいたんだろうなと思います。 で、タイミング良くというか、たまたま大ヤケドしちゃったもんだから、取るものも 取りあえず、自分の体でジッケン・ジッケンとこうなったんではなかろうか? これがラベンダーじゃなくって、そう、シナモンのエッセンシャルオイルなんかを 使った日にゃあ、もうかちかち山の世界ですがな。 このラベンダー、精油の中では非常に例外的なことに原液を皮膚につけて、 色々効果を期待できる貴重なオイルなのでございます。 私はクラスで初めてこれを聞いたので、 「え、精油を原液で!」とビックリしたものです。 あと、原液使用ができるのは、ティトゥリーとその仲間の マヌーカ、カヌーカくらいです。 これ以外の精油はキャリアオイルなりなんなりで、しっかり希釈して使います。 もちろん、このラベンダーの精油でも、敏感肌の人はパッチテストを。 また、酸化しているラベンダーオイルで皮膚刺激が起こる事もあるそうですから、 保存状態に不安のあるものには、注意が必要です。 さて、このラベンダー原液、皮膚への効果は、と、申しますと、 擦り傷、切り傷、火傷にオデキ、 ササクレ、マメに水ぶくれ、 はたまた水虫、虫刺され、 なんでもござれのラベンダー。 ベベンベンベン 日焼け、皮膚炎、にきびに青痣・・ ・・・・ 失礼しました・・・ (でも、この皮膚への効用の多さは、いつも 私に「ガマの油」「馬の油」はたまた 「タイガーバーム」を彷彿とさせて止まないのです) さて、これら患部を一応洗った後、ヤケドはよっく水で冷やした後、 水気を拭き取ってラベンダーを1滴。 日焼けなど問題部分が広範囲に及ぶ場合は、清浄なる冷水の入った スプレーボトルに、ラベンダーを入れて振りたくったものを、患部にスプレー。 そんな気の効いたものがない時は、冷水にラベンダーを落とし、 よくかき混ぜたところに手ぬぐいなりを浸し、ゆるく絞って湿布するのも 良い手です。 気化熱も手伝って患部がよく冷やされ、かなり効果的です。 これ、何が皮膚で起きているのかと申しますと、ラベンダーの 抗炎症作用が患部を冷やし、抗菌・解毒作用にて化膿、2次感染を防止、 細胞修復作用にて患部の下部より健康な細胞ができるのを促進し、 それでもって癒傷する。 と、こういう訳なのです。 実際、軽いヤケドへの効果は本当に劇的で、「ひゃーヒリヒリー、 イタイヨー」というのが、水で冷やしてラベンダーを落しておけば、 ほとんどの場合ケロっと痛みが引き、しばらーく日にちをおいて、 忘れた頃にその個所の皮膚が剥けるといった具合。 家の中、特に台所では勿論、旅行・アウトドアにも必携のオイルです。 我が家のシーカヤックガイドもツアーにはいつも持って行っています。 お試しあれ。 このラベンダーオイル、もちろん皮膚にだけでなく、 心身ともオールマイティに大活躍します。 あまりに守備範囲が広いので、「このクライアントには どの精油を使うか」という小テストがあると、「ええと、ラベンダーとー」 と言いながら時間稼ぎをするくらいです。 私の場合は、マッサージの実技試験の時、(実際にボランティアの クライアントを前に、問診表の作成に始まり、マッサージオイルを 調合してフルボディマッサージ他を、3時間に渡り施術する卒業試験の1つ)先生に 「ラベンダーは使っちゃダメー」と、封じ手にされてしまいました。 そんなぁ、後藤タツトシの殺人バックドロップじゃあるまいしー。 そのクライアント、たまたま花粉症がひどくて、 体中の皮膚がちりちりして痒いという人で、ラベンダーの 封印はかなり辛かったんでございました。 のっけから、ずっとラベンダー、ラベンダーと呼んでいますが、 これ、真正(真性とも)ラベンダーTrue Lavenderのことです。 ラテン語名でいうとLavandura angustifolia、ちょっと前はLavandura officinalis、 はたまたLavandura veraとも。 なんで学名がたくさんあるかっていうと、古くから薬用として親しまれていたラベンダーの 研究が近年進むにつれ、様々な別種、亜種、変種、交雑種が発見され、それらからも 精油をとって既に薬用として使っていた事が判明。 しかして「薬用ラベンダー」という意味の"Lavandula officinalis"をして、 True Lavenderを表すのには、ちょっと具合が悪くなってきた。 と、言う訳で、今はangusti(狭い・細い)folia(葉っぱ)のラベンダーという Lavandura angustifoliaを使うのが主流といって良いでしょう。 でもだからと言ってLavandura officinalisやLavandura veraが 間違いって訳ではありません。 使っても大丈夫です。 でも、Lavandura veraに到っては1931年初版の"A Modern Herbal"ではTrue Lavenderを 表す名称の筆頭に出てくるものの、 最近ではLavandula angustifolia の中に'Vera'という品種も見られるし、 わざわざ使うには紛らわしい名前かもしれません。 因みに我が家のチビラベンダーはLavandura angustifolia 'Seal'っていう お名前です。 このラベンダーという植物、精油になっているものだけでも、4種あって、 この真正ラベンダー、スパイクラベンダー、ラバンジンと、 多分あまり我々の手の届く一般市場には出まわっていないと思いますが、 ストエカスラベンダー。 因みに、学名はそれぞれ スパイクラベンダー:Lavandula latifolia(広い葉っぱ)、またはL. spica ラバンジン:Lavandula intermedia、またはL. hybrida、はたまたL. hortensis ストエカスラベンダー:Lavandula stoechas それぞれこの下にぞろぞろといっぱい亜種やら鑑賞種やらを控えさせています。 ラバンジンは真正とスパイクの交雑種。 ストエカスは鑑賞用として売られている事の多い、 とうもろこしの芯を小さくした蚕の繭みたいなのに、 紫やらピンクやらの大きな耳が2本ニュっと立っているあれです。 (わっかっるっかなぁ〜この説明で・・・) このラベンダーたち、同属ではありますが、精油にしてみると、 含有成分に顕著な違いが見られるため、それぞれの守備範囲には、 大きな違いが見られます。 特に、この項で書いている原液での使用と、次項のリラックス効果は 真正ラベンダー以外のラベンダーオイルには期待できません。 原液での使用は、他のオイルでは敏感肌を刺激する危険度が増します。 リラックス効果は真正ラベンダーに35%程度含まれる(はずの)、 酢酸リナリルに因るところで、これが少ないスパイクラベンダーや ラバンジンには、この効果を求める事はできません。 ましてや、ケトン類であるフェンコン(神経毒性あり)を多く含む ストエカスラベンダーの精油は、人体に使用するにはリスクが高すぎる シロモノなのです。 だいたい、親族打ち揃って入り乱れるは、ラテン語名も1つのラベンダーが 新旧併せて2-3個持っているし、 タダでさえヤヤコシイっていうのに、 ラベンダーのもう1つ、面倒くさい所は、「イングリッシュラベンダー」 とか「フレンチラベンダー」下手をすると「ダッチラベンダー」とか、 国の名前を付けた通称名で呼ばれる、これです。 さーて、どっちがどっちだ、と言う事で、私のアロマのクラスで 喧喧諤諤となったことがあります。 これはTrue Lavenderすなわち真正が「イングリッシュ」なのか 「フレンチ」なのか、の論争でして、まあ皆、譲らないのなんのって、 頑固・頑迷これに至れりっていう感じでした。 これはラベンダーの苗がどの園芸店にも色々取り揃えてある ニュージーランドだからこそ、発生した論争かもしれないのですし、 ここは移民の地だから、ヨーロッパの国名を聞くと、 いろいろ思惑が錯綜して、冷静でいられないのにも起因しているのかもしれません。 しかも、ラベンダーオイルの主な生産国はフランスっていうのも影響を 及ぼしているなぁ。 かてて加えて、英語で話している訳ですからFrench Lavender oilっていうのが、 「フレンチラベンダーの精油」にも「フランス産のラベンダーオイル」にも 成り得るのでして、ネイティブでも混同するんだなと変に感心してしまいました。 えと、もうここはヨーロッパ諸国にも大英帝国にも、まったく 縁もゆかりもないニッポンジンが仲裁するしかありません。 はい、正解は、「イングリッシュラベンダー」が真正です。 「フレンチラベンダー」はストエカス、本によってはデンタータが 「フレンチ」で、ストエカスは「スパニッシュ」っていう人もいますが。 因みにLavandula angustifolia 'Vera'を「ダッチ」と書いている人もいます。 で、私は資料を提示しつつ説明した後、 「クラスの中で国名をつけたラベンダーの通称使うの やめようよ〜、なんか、熱くなっちゃうみたいだからさぁ・・・。」 と、付け加えたのでした。 ああ、大変だった・・・。 実際にクラスの中でもTrue Lavenderという名と国名入り通称の 出て来たのはこの時だけで、いつもは何にもつけない LavenderっていうのがLavandula angustifoliaっていうのが 暗黙の了解でありました。 ただ、日本市場に出まわっている「ラベンダー」と表示されたオイルの 中には、実際には安価な「ラバンジン」が入っている事も、ままあるそうで。 今回は特に、「真正」とか'True'とかを強調してみました。 と言う訳で、ラベンダーに限らずエッセンシャルオイルご購入の際には 是非ともラテン語名をご参照のほどを。 |