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アロマセラピスト資格と費用


前項のアロマセラピーコース内容で紹介した、 ニュージーランドでのISPA系アロマセラピースクールの コースを全部履修すると、NZ$3,640.- (Intro:$185, Stage1-4:$790@, A&P:$295、 授業中使用する教材代、試験費用も含む)、 ざっと円換算すると20万円(弱)です。
指導にあたるスタッフは、 アロマセラピスト兼学長兼ショップオーナーであるメインの先生(メイン・チューター)が1人、 サブ・チューター1人、有機化学にはどこやらの大学で化学を教えていた経験のある 先生1人、解剖学と生理学にも専門の先生がメイン1人、サブ1人。
クラスは6-8人の少人数制。
それだけのスタッフが授業を支え、全員に目の届く少人数制で、20万の授業料は「グッドディール」だった、と 私は思います。
それでも、尚も頑張るメイン・チューターは、今年から奨学金導入まで乗り出しました。
「自称アロマセラピーの伝道師」ガンバル、ガンバル。
流石に奨学金はニュージーランド国民でないと受けられないとは思いますが、 「ようやる・・」と、頭が下がる思いです。

たしかに、スケジュールはグラグラ動くは、時間にはルーズだし、 マッサージテーブルがノート取る机だし、いきなりメイン・チューターが 長期の海外旅行に行こうとするし、そう言えば実習のタオルがボロだと いやがっている人もいたナァ・・・。
そんなこんなで「良い学校だ」とモロ手を挙げて 人に薦められないような問題が散見されたものの、ニュージーランドでは ISPA、NZROHAの資格を看板に出してお日様のもと、何を恐れる事もなく療法士として 堂々と仕事ができる。
プロとして安心してキャリアを重ね、治療行為に集中できる資格が手に入るのだから、 諸問題にもまぁ目を瞑ろう、というものです。

片や日本でIFA、ISPA、ITECの資格を取ろうとすると、100万円じゃ効きません。
地代も物価も収入高もまったく違う環境なので、一概に円換算して、 「日本の学校は高すぎる!」なんて糾弾するのは短絡的過ぎますが、 そこまで学費が嵩むとなると、かなり悲壮な決意を固めないと履修できないのは 確かです。
こんなに敷居が高くっちゃぁ「伝道」どころの騒ぎじゃありません。
学費以外に生活費も要りますし・・・。
ニュージーランドで100万円あったら、何しよう。
フラッティングの自炊なら、1年間余裕で暮らしていけて、 中古の車乗り回して、アロマセラピーの全コース取って、 精油シコタマ買い込んで、本もどっさり買い込んで、飛行機代も入れて、 うーん、おつりを出そうとすれば出る・・・か、なんて電卓片手につい考えてしまいます。

ただ、色々環境が違うという事を承知の上で、老婆心ながら書いておきたいのは、 英国の出している「国際資格」つまり IFA、ITEC、ISPAの資格は、日本の「国家資格」とは全く別のものだと言う事。
つまり日本では、医師、看護婦、鍼灸、按摩、マッサージ、指圧これら国家資格を保有する人は、治療目的の施術を 合法的に行えるけれど、アロマセラピーの国際資格を持っていようとも日本の法制の元では 「治療」や「・・・に効くブレンド」を作ったり「マッサージ」をしてはイケナイ。
だから、「テラピー」やら「トリートメント」という言葉を使わざるを得ないのです。
「何となくヤバイ・・・」そんな気持ちをいつも頭の片隅に置いて仕事をしなくてはならない、 日本では今の所「国際資格」だろうと「国内資格」だろうと、アロマセラピーに関してはそういう資格である事に 代わりはありません。

1年間の「国際アロマセラピスト資格」コースが100万強から150万。
多分、印刷物がキレイとか、ちゃんと製本してあるとか、 実習中に使うタオルとかマッサージテーブルがキレイとか、 部屋が明るいとか、授業を受ける椅子や机が充実しているとか、その辺りは「流石ニッポン」 バッチリでしょう。
でも、コース内容は英国のそれぞれの本部が義務付けているカリキュラムに 添って作られているわけですから、国境を越えどこで学ぼうとも殆ど同じです。
又、学校側が所属協会本部に支払う協会登録料とて全く同じ。
いったい何処にニュージーランドに比較して5倍以上の授業料が消えていくのか。

ニュージーランドでは、実は別に資格がなくても代替療法士として開業している人は たくさんいます。
別に違法でもなんでもなく、「・・・に効くブレンド」で「マッサージ」をしています。
する側も、される側も自己責任。
少なくとも、「治療は治療」として「マッサージはマッサージ」として、 公言して何の問題も生じません。
一寸前に腕の良い無免許の医師が逮捕されて、患者たちに残念がられたなんて事件が ありましたから、「西洋医学」と「代替療法」は「資格」の面で思いっきり一線を隔しているのでしょう。
ただ、代替療法側では、例えばアロマセラピーなどは「開業以前に習得すべき知識、技術の 最低レベルの設定をしよう」という動きにあり、だからこそNZROHAなんかが「高圧的」とか 悪口言われながらも、ガンバッテいる訳です。
つまり、ニュージーランドにおいては、MNZROHA(Member of NZROHA)およびMISPA(Member of ISPA)は施術側、患者側双方に「安全面」で意味のある資格であり、 そういう面での「ステータス」足り得る。
資格を手に入れたら「マッサージします、当方MNZROHA, MISPAのアロマセラピスト」と 看板出して、自信を持って即開業オッケー。
こういうのって健やかな「資格」でいいなぁと思います。

「日本でそういう資格取得に勉強したら100万やそこらかかりますよ」とは、 友人の理学療法士さんの言葉です。
確かに、鍼灸、指圧などの学校は「3年で300万」とよく言われます。
学費の面からいけば、日本での「国際アロマセラピスト資格」は、 既に十二分に「そういう資格」クラスです。
では実際「国際アロマセラピスト資格」が、日本で言われる所の「そういう資格」に値するか。
私の答えは残念ながら今の所「ノー」です。
実際に治療目的で施術しているのに、それを胸を張って言ってはイケナイ。
アトピーの患者の皮膚を何とかしたい、生理痛を何とかしたい、 ベイビーブルーの友人を何とかしたい、肩凝りを何とかしたい、これら全て治療行為です。
それでも、「これはビューティセラピーです」 「マッサージじゃありません、トリートメントです」、 「患者さんじゃありません、クライアントです」。
こんな言葉を使わなくては手が後に回りかねない。
誰しも捕まるのは嫌ですから、「引っ掛かる言葉を使わなければ今の所大丈夫」と 言われれば、心の抵抗を押し留めて、カタカナ言葉を使うでしょう。
しかしこのカタカナ言葉、和訳すれば何の事はない、トリートメントは「治療」、 クライアントは「患者」ではないですか・・・。
ウンザリするような前近代的状況。
戦中日本が「敵勢英語」を使っては行けないと、野球の「セーフ」とか「アウト」まで 取り締まったなんて過去があるけれど、 今のアロマセラピーのこの状況はそれと大差ありません。
セラピストのタマゴ達は、どうやって日本で「プロ」としての自信と、そして責任を育んでいったら良いのだろう?

そもそも「資格」って何でしょう?
「この人は、プロとして仕事を始めるにあたり必要な条件を満たしている」という認定、 これが「資格」です。
しかし、日本におけるアロマセラピーを含む新参の代替療法の多くは、先ず 「プロとして(つまり療法士として)仕事を始める」っていう処で、法的に引っ掛かってしまう。
それでいて、そもそもの前提が成立していない「資格」と十分知りながら、 学校側は「国家資格」並みの高額授業料を請求する。
受講する側が、学校側と同じ位に理解した上で履修しているのならいいのですが、 そんな人がどれだけいるか疑わしいものです。
いくらニーズがあっても、「国の規格にあわないもの」を それと知りながら売っている訳ですから、現段階ではこれらの学校のやり方が、 「資格商法」と言われても仕方ありません。

「漢方」「鍼」「灸」「指圧」、今世界が注目する代替療法の先進国であるはずの 日本。
しかし、自らの法律でがんじがらめになって、一方の新進代替療法に関しては全くの 後進国でもあります。
ここまで「アロマセラピー」がよく知られるようになり、 多くの人が治療目的で試しているというのに、その状況は全く変わっていません。
国や保健機関はこれを一時のファッションとして相手にしていないのでしょうか?
「クライアント」「トリートメント」というカタカナ言葉を使っているから、 まさかアロマセラピーが療法だったなんて思いもつかない・・・、そんな筈はありませんね。
ただの手抜き、すべき仕事をしていないだけです。
「アレルギー」や「生活習慣病」、「病気まではいかない体調不良」「深刻な高齢化」「ストレス」など 西洋医学治療があまり得意としない健康問題に苦しむ人が増える中、 代替療法は今後もますます注目を集めるでしょう。
もしも、アロマセラピーが今のまま中途半端な形で信用を無くし一過性のものに終わろうとも、 ホメオパシー、フラワーレメディ、ナチュロパシー、 次から次へとこの動きは尽きる事がないでしょう。

つまりこの現状に合わない上に、代替療法の「療法」としての姿を歪めている法律の 改正、または新条項なりなんなりの制定が必要な訳です。
別に法律に「代替療法を認め、患者の健康を守れ」なんて言うつもりはさらさらありません。
だいたい厚生年金なんて「オタメゴカシ」も、ちゃんちゃらオカシクってサッサと払うのを止めてしまったし、 社会保健なんていうのだって、こっちの人に説明するたび、「なんで自分が病気でもないのに そんなに毎月お金を払わなくちゃいけないの???」との純朴な質問に説明し切れなくなってくる 「なんだかヘンなモノ」にも非常に疑問を持っている私は、国や法律相手に健康を守れなんて 今更言いません。

健康を守るのはあくまでも自分です。
ただし、その時自分が選び取る療法なりなんなりは色々な選択肢が欲しい。
少なくとも選択肢に成り得る「療法」が、法に阻まれてその力を発揮出来ないのは 勿体無いし、その国の総合医療が立ち遅れる原因になると思っています。
「療法」として発生してきているものを、「療法足り得る代物なのか」 査定し、ヨサソウだったら日本の地でも健やかにその「療法」が根付き育つよう、 少なくとも「合わなくなっている旧法」のツカエくらい外すのが 「仁義」ってモノじゃないでしょうか。
厚生省って何してるのか知りませんが、それくらいやってもバチ当たらないでしょう。
これだけ日本中に半病人が溢れているのだから、代替療法を学び取りに現代の遣唐使を派遣するくらいの 積極性と謙虚さがあっても良いくらいです、ホント言えば。

日本は何を考えてるのか、スグに何でもカンでも押しなべて「平均化」しようとする傾向にありますから、 アロマセラピーを代替療法として認めるときに、「鍼灸」に合わせて 「少なくとも3年のフルタイム履修」を義務付けるとかそんな事もしそうです。
しかし、それもナンセンス。
加えて、既に国家資格になっている「市民権を得ている」先達の代替療法側も、 そういう時に横槍を入れたり、圧力をかけてもいけません。
代替療法はそれぞれに見合う履修期間というものがあります。
3年もフルタイムでアロマセラピーを「机の上」だけで「勉強」ばっかりしてたら、 国際的に物笑いの種でしょう。
こういう実学は「最低レベル」を満たしたら、その後成長するかどうかは自己責任。
さっさとプロとして世間に出て行く、出して行くというのが「健やかさ」でしょう。
そう、勉強不足の恥かしい「プロ」は過当競争の中で消えていけばいいだけです。

なんだかこんな事を考えていると、いつまでもだらだらと「親離れしない」「子離れしない」 日本の親子関係のように見えてきます。
療法士の卵に対しては「貴方は最低レベルには達してるようだけど、 未だ世間に出ると危ないから、後○年は勉強してなさい。」と言い、 世間に対しては「何年も勉強させて、すごく難しいテストでフルッて残った精鋭ですから 大丈夫ですよ。」と、言う。
何年机上の学問を重ねていっても、あくまでもそれは知識であって、キャリアではありません。
カケダシとして必要以上の知識をテンコ盛りにすれば、危険が減るか?私には疑問です。
幾ら大金を出して取った「資格」であろうと、患者を思いやる気持ちや、 キャリアはその中には含まれていません。

治療を受ける側も、いつも「自分の身は自分で守る」事は忘れてはいけないと思うのです。
「国家資格」保有者であろうと、誤診もある得るし、そもそも代替療法ですから、 そのやり方が自分の身にあわない可能性も多々あり得る。
「懐疑的」になる必要はありませんが、自分の体のケアを全面的に 人任せにするなんて事だけはやってはならないのではないでしょうか。
「健やかな体」をお金を出せば買える、取り戻せるように 勘違いしている人、非常に悲しい事ですが、少なくないように感じられます。

日本の「資格」って「取らせる側」も「取る側」も、そして「その資格保有者を 利用する側」にも意識改革が必要なようで、その根の深さに胸焼けをおこしそうですが、 そろそろ「実学の資格」ってこんなものっていうサッパリ感、欲しいですね・・・。
少なくともこれからの「代替療法」に関しては。


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