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南半球で見つけたアウトドア道具のスグレモノ第2弾は、実を言えば『掘り出し物』というのがちょっとはばかられるようなシロモノ。
というのも、これらはニュージーランドNo.1ブランドマックパック ( macpac ) の商品で、こっちのアウトドアズマンはたいてい持っているという、超一般的なアイテムなのだ。
なんだかわざわざ『掘り出し物』っていう言葉を使うのが口幅ったいような気がしてしまう。
でも日本で知られていないのは間違いないし、こっちでポピュラーだっていう話だったら前回ご紹介したサーメットにも同じ事が言えるわけだ。
というわけで、あんまり気にせず紹介しちまおう!
キウィ(ニュージーランド人)でさえ知らないような掘り出し物を見つけて紹介するには、まだまだ修行が足りないんだし(^_^;
さて、まず本題に入る前にマックパックというブランドについて簡単に触れておこう。
その名の通りザック類の品質は世界的なレベルを誇るニュージーランドのアウトドア・ブランドだ。
私の記憶が正しければ、日本にもごく僅かながらザック類だけが細々と輸入されているはずだ。
以前日本で試しに背負ってみたことがあるが、年々ゴテゴテしていく世界的な流行に逆行するかのような極めてシンプルなデザイン、非常に完成度の高い作り、そして素晴らしいフィット感のハーネスシステムに驚嘆した事があった。
これはあくまでも好みの話なのだが、私はグレゴリー、オスプレー、デイナ・デザインといった超有名どころなんかよりも、マックパックのザックのフィット感の方が遥かに好きだった。
知名度の低いブランドだっただけにこれはかなり意外な事だったので、強烈に印象に残った体験だった。
『シンプルで作りが良くてフィット感が良くて、しかも知名度が低い』なんてのは、まさに私好みだ。
これを掘り出し物と言わずして何と言おうか!
実はこのマックパック、本国ニュージーランド国内ではザック類にとどまらず、アルパイン・ウェア、テント、シュラフなどもラインナップする超有名総合ブランドである。
ニュージーランドにはフェアリーダウン ( Fairydown ) というブランドもある。
日本においてはシュラフ、ウェア類などの取り扱いの多いこちらの方が知名度が高いだろう。
実はこちらもニュージーランド国内では有名総合ブランド。
両ブランドは価格帯も商品ラインナップもほぼ競合しており、この2ブランドが東西の横綱といって間違いない。
で、どちらがNo.1なのかといわれると難しい所だが、語弊を承知で書いてしまえば、私自身はフェアリーダウンはやはり2番手、No.1ブランドはマックパックという印象を持っている。
もちろん圧倒的な差があるわけではないのだが、どちらかといえば私はマックパック派だ。
同僚のプロ連中の使っているものを見回してみても、フェアリーダウン製品よりもマックパック製品の方が遥かに多いようだ。
世界中の一流品が集まる日本で、なぜマックパックの商品がほとんど扱われていないのかが少々不思議なのだが、私なりに推測すると、フェアリーダウンが日本人好みの『ゴツくて強そうな、いかにもアウトドアっぽい』という、マーモットなどに通じるイメージのデザインを採用しているのに対し、マックパックのデザインが比較的地味で野暮ったいっていうのが原因なのではないかという気がする。
日本に持ち込めば、目の効く熟練アウトドアズマン諸氏に喜ばれそうなアイテムも少なくないのだが、やはりイメージ先行の日本のマーケットではマックパックのインパクトに欠けるデザインは競争力が弱いのかもしれない。
残念な事だ。
こちらに滞在している間に熱烈なマックパック・ファンになってしまう日本人アウトドアズマンも少なくないのだが・・・。
さ、マックパックのことはこれくらいにして、本題に入ろう。
ニュージーランドNo.1ブランドの誇る超売れ筋定番アイテム、ジップ・ザップ & ビーズ・ニーズ ( Zip Zap & Bees Knees ) だ。
汚らしいモデルで申しわけないが、これがそのジップ・ザップとビーズ・ニーズ。
トップスがジップ・ザップで、ボトムズの方がビーズ・ニーズ。
セットではなくて一応別売りなのだが、ご覧の通りデザインもマテリアルも共通の、実質上セットといえるアイテムである。
ちなみにこのデザイン、黒い部分を白に変えればまるっきりウルトラマンになってしまうと思うのは、日本人の悲しい性である(笑)。
試しにフォトショップで黒を白に変更してみようかというイタズラ心も起きたのだが、やっぱり止めた。
自分がウルトラマンの衣装に身を包んでる所なんて、あまり見たいものではない(^_^;
ちなみにこの赤/黒のツートンカラー以外に青/黒のツートンカラーのモデルがラインナップされており、妻Ryokoはこちらを愛用している。
さて、その赤と黒の2色切り替えだが、実はマテリアル自体が別物になっている。
これがこのウェアのキモなのである。
赤い部分はお馴染みモルデン社のフリース生地ポーラーテック100。
黒い部分はやはりモルデン社開発の新素材ジオ・テック。
実は1999年モデルまでは黒い部分はマックパックのオリジナルのサーマルアンダー素材ジオサーマルが使用されていたのだが、2000年モデルからのマイナー・チェンジでジオ・テックに変更された。
つまり元々これらは『サーマルアンダー・ウェアの要所要所にポーラーテックの補強を入れたアイテム』だったわけで、いわば『ハイパー・サーマルアンダー・ウェア』とも言えるシロモノであったのだ。
私が初めて出会ったのは旧モデルの方だった。
実をいえば私は2000年モデルも持ってはいるものの、この写真に写っているのは1999年の旧モデルの方だ。
ま、この程度のサイズの写真で見る分には違いはまず分からないので問題ないだろう。
新旧モデルのマテリアル比較は改めて後述することにしよう。
こちらが裏側。
ご覧の通りジップザップの方は肩の部分、上腕から肘にかけての外側がポーラーテック100になっている。
一方のビーズ・ニーズの方は、腰から太もも外側がポーラーテックになっている。
これはそのまま前に回って膝へとかかり、さらにそのまますねの内側へと回り込んでいる。
腰から足首にかけてグルリと赤い蛇が巻き付いたような具合である。
意匠という意味にとどまらず、冷えやすい部分やプロテクションが欲しい部分にポーラーテックが配された機能的なデザインだ。
ジップ・ザップの袖口にはサム・ホールが設けられ(後述)、寒い時には親指を突っ込んで保温性を高める事も出来るようになっている。
ハイネック仕様の上にジッパーが長くて胃の辺りまで開くので、適応温度の幅も非常に広い。
真夏といえども湿度が低い上に朝晩は気温の下がるここネルソン地域だったら、ホントに1年中着ることが出来るほどだ。
ちなみにエリの裏側にはサーマルアンダー生地、つまり1999年モデルの場合はジオサーマル、2000年モデルの場合はジオ・テックが裏張りしてあり、首への肌触りを良くしてある。
逆にいえば、他の部分はサーマルアンダー生地の上にポーラーテックを貼り付けてあるわけではなく、それぞれ単体で切り替えて使用してある。
2重になっているのは襟の部分だけだ。
さて、ここまで読んで、
「お!そりゃすごい!欲しい!」
と思われる方もいらっしゃるだろうが、逆に大半の方は、
「いったいこれのどこがそんなにスゴイのかよく分からない。似たようなのは日本にもイッパイあるじゃないか。」
という感想をお持ちなのではないかと思う。
また長くなってしまうのだが、ちょっと日本とニュージーランドの違いについてお話しないとご理解が難しいかと思うので、ちょっと『南北サーマルアンダー事情』をお話しよう。
実は世界屈指のアウトドア超大国ニュージーランドの、その中でも特にアウトドアの盛んなここネルソン地方の場合、サーマルアンダー・ウェアは日常の普段着として着られる事も非常に多い。
アウトドアズマン諸氏なら、サーマルアンダーの長袖シャツの上にTシャツを着たり、サーマルアンダーのタイツの上に短パンを履いたりするレイヤードがあるのはご存知の事だろう。
暑い季節には不適当だが、比較的穏やかな季節の場合は極めて機能的なレイヤードである。
ただ残念な事に日本ではまだそれほど一般的なレイヤードではない。
やってみたいけど好奇の目にさらされるのがいやで試してみた事がない、とおっしゃる方も少なくないと思われる。
ここの場合は事情が全く逆で、このレイヤードはバックカントリーのみならず、街中の普段着としても完全に定着してしまっている。
もちろん全員が全員そんな格好をしているわけではないが、少なくともアウトドアの好きな若者達は普段からごく普通にこの格好をしている。
(ま、そもそもアウトドア用の格好と街中用の普段着を分けて考えるという発想がないともいえるが・・・。)
人口僅か400万人足らずの小さな国なのに、サーマルアンダーだけを専門に作っているブランドさえあるといえば、いかに需要が多いかお分かりいただけるだろう。
さすがにモンベルのジオラインのように3種類の厚さのラインナップを揃えるようなブランドこそないものの、モノの少ないニュージーランドとしては異例の事に、サーマルアンダーのチョイスだけは日本並みに豊富なのだ。
もちろん、値段の方も日本とは比べ物にならないリーズナブルなものもたくさんある。
デザイン的にもアウターとして着ることを意識したものが多い。
(とはいっても、決して褒められたデザインではないものがほとんどだが・・・。)
ちなみにそういう私自身も、今現在まさにその格好をしてPCに向かっている。
マックパックのサーマルアンダーの上下の上に、パタゴニアのTシャツとマックパックの短パン。
こっちでは別段変わった格好ではない。
ただし家の中でこういう格好をしていると、Ryokoに、
「あ、戦闘服着てる!」
といわれてしまうが・・・。
ちなみにこれ、日本語に翻訳しておくと、
「あ、仕事に行く格好してる!」
の意味である。
念のため・・・(^_^;
白状すれば、私は日本でサラリーマン生活をしていたときも節約のために冬用スーツを買わず、その代わりにYシャツやズボンの下にジオラインを着込んで出勤していたようなやつなので、ニュージーランドに来る前から日本人としては異例なほどサーマルアンダーに普段から親しんでいたのではあるのだが・・・。
ま、私の話は別として、そういうサーマルアンダーの出番の非常に多いお国柄、土地柄なのである。
特に我々のようにアウトドアで飯を食っている連中ともなると、それこそ年がら年中サーマルアンダーを着っぱなしである。
つまり我々にとって1番身近で1番大切なアイテムは、他ならぬサーマルアンダー・ウェアなのである。
だから、このジップ・ザップを知ったときはホントに、
「こ、これだぁ!!」
と感激してしまったのだ。
なんせハイネックのエリ、肩、胸及び上腕部外側、肘という温度を失いやすく、また擦れやすい部分にポーラーテック100が使われている。
フロントのジッパーも長くて温度調節も容易。
しかもこの画像のとおり、袖口にはサム・ホール(親指を入れる穴)が開いていて、親指を突っ込めば寒い時にも重宝しそうだ。
私はこれ、大好きなのだ。
マックパックにはサム・ホールを設けたアイテムが多い。
ま、これ自体は珍しいアイディアでもなんでもなくて日本でも時折見かけるが、サーマルアンダーに設けてあるのは初めて目にした。
さすがサーマルアンダーをアウターとして着る国だ!
ともあれこのジップ・ザップ、素肌にそのまま着るもよし、下にサーマルアンダーを着た上に重ねるも良し。
上に何も羽織らずアウターにするもよし、もちろんジャケットを羽織るも良し。
まさに万能、1年中着られるし、もちろんカヤッキング用としても文句なしだろうと思われた。
ま、最初に見た時はここまで考えたわけではなく、まさに直感で、
「これだ!」
と、ピ〜ンと来ただけだったのだが・・・。
ともあれ早速調べてみると、揃いのデザイン、マテリアルのボトムズ、ビーズ・ニーズってのもラインナップされているのが分かった。
これは絶対買いだぁ!
というわけで早速入手してみた次第である。
いやはや、予想通りの、いや予想を遥かに上回るスーパー・ハイパー超絶便利アイテム(笑)であった。
油断すると暑い真夏の日中以外は、1年中これだけで過ごしてしまいそうになるほどだ。
こんな便利なアイテムがなぜ日本で生まれなかったんだろう?と疑問に思ったんだが、考えてみればやはりサーマルアンダーの定着度がポイントになっているような気がする。
サーマルアンダーはあくまでもアウトドアに出掛ける時の下着としか使われていない日本では生まれる余地がなかったのだろう。
日本では同じコンセプトのウェアをデザインする場合も、100%ポーラーテックを使って作ってしまうことになるだろうし、その方が売れるのだろう。
しかし汎用性はジップ・ザップの方が遥かに高い。
ジップ・ザップと同じデザインで、『100%サーマルアンダー生地』、『100%ポーラーテック100』のモノを作って3者を比較すれば、これは明らかにジップ・ザップの汎用性の高さが群を抜くはずだ。
(ま、わざわざ作らなくてもそういう製品はいくらでもある。)
保温性はポーラーテックだけで作ったものにほぼ匹敵する上に、汗をかくような気温や運動時の快適性は明らかにポーラーテックだけのものより高いからだ。
ポーラーテックを素肌に着込んだ場合、運動量が多くなって汗をかくと肌の敏感な部分には若干チクチクとした違和感を感じてしまうことがある。
その点、ジップザップの場合はそれも皆無だ。
敏感な部分はサーマルアンダーを使用してあるのだから。
ビショビショになった際の快適性はもう考えるまでもない。
いやはや、良く出来ている。
組み合せるだけでこれだけ応用範囲の広いウェアが出来あがるとはほんとに驚きである。
感激したのなんのって!
ちなみに最初の2枚の画像は、先日のダーヴィル島一周シーカヤック・ツアーの時に撮ったもの。
陸上では起きている時もシュラフに潜り込む時も、ひたすらずっ〜とこの格好一本槍だった。
暖かい日中やシュラフに入るときはこれだけ。
日中はTシャツと短パンだけでもOKなほど暑い日もあったが、着替えるのが面倒だったのでジッパーを全開して腕まくりをし、足も膝まで捲り上げておいたら、それで十分対応出来てしまった。
逆に少し寒くなれば上にヴェストを羽織り、さらに寒くなればジャケットを着てソックスを履き帽子をかぶる。
寒い方もこれで十分だった。
まさにマルチ・パーパス・ウェア。
レイヤードという言葉を忘れてしまいそうになる。
そして回りを見まわすと、他のメンバー達の半数がジップ・ザップやビーズ・ニーズを着用していたのだった!
う〜ん、恐るべし・・・。
言うまでもないことだが、もちろんパドリング用としても絶品。
Ryokoはむしろパドリングする際にジップ・ザップを着込んでいた。
私も秋から春にかけての寒い季節には、仕事の時にコイツを着ていく事が多い。
さて、ここまでジップ・ザップとの感激の出逢いを述べたきたが、使っていくうちに不満も出てきた。
それは主にサーマルアンダー生地部分についてであった。
マックパックのジオサーマルというサーマルアンダー生地は厚手でありながら非常にソフトなので、保温性が良くて非常に着心地がいいというメリットがある。
その反面、耐久性に若干不満があったのだ。
永らく愛用しているモンベルのジオライン・ライトウェイトと比較すると、ジオサーマルの方が遥かに分厚いくせに耐久性は遥かに低い。
実は1999年モデルのビーズ・ニーズ、初めて着用して仕事に履いていったその日に、いきなり膝に穴が開いてしまった。
砂浜で膝を突いて調理していたら、砂で擦れたのだ。
これは悲しかったしショックだった。
さらに数日後には、今度はお尻に穴が開いてしまった。
ジオラインでは起こらなかった事である。
この耐久性の低さは穴が開きやすいっていうだけの問題ではない。
むしろもっと大きな問題は、フィット感の悪さの方である。
伸びやすく、ダランと垂れ下がり気味になりやすいのだ。
サーマルアンダー・ウェアをご愛用の読者諸兄はご存知の通り、サーマルアンダー・ウェアってのは肌にピタリと貼り付いていてくれなくてはあまり意味がない。
肌から離れてしまうと、保温力も汗を吸い出すウィック効果も半減してしまうのだ。
特に我々カヤッカーの場合は、このフィット感が極めて大切な要素になる。
ビショビショに濡れた場合、ブカブカのサーマルアンダー・ウェアでは、本来の保温力が発揮出来ないからだ。
当然乾きも遅くなる。
極端に言えば、濡れることが前提の我々にとって、フィット感は死活問題なのである。
実はこの着心地がいい代わりに伸びやすいという欠点は、マックパックに限ったことではなく、ニュージーランド製サーマルアンダー生地全般にいえることのようだ。
この点に関してはやはりジオラインの方が遥かに上。
やっぱり高いだけの事はある。
ここで2枚目の背中を向けている画像をもう1度見て下さい。
この日は警報が出るほどの強風が吹いており、海に出るのを中止した『停滞日』だった。
私のポニーテールが強風でなびいているのがお分かりだと思うが、背中の辺りの黒いサーマルアンダー生地の部分も同様にはためいているのがお分かり頂けると思う。
これがまさに1999年モデルの欠点だったのだ。
ところがマイナーチェンジを施されて登場した2000年モデルは、その欠点を見事に解消していた。
マテリアルを自社製品からモルデン社のジオ・テックに変更してしまったのは英断というほかない。
経営面からすれば他社開発の生地を自社開発生地に切り替えるほうが経済的だろうし、企業としてのプライドにも適うだろう。
実際数年前にモンベルはポーラーテックを全廃し、全面的に自社開発のクリマプラスに切り替えてしまった。
これが普通だろうと思う。
それを敢えて自社開発生地から他社の生地に切り替えたマックパックの判断に、拍手を送りたい。
念のため書いておくと、マックパックは全てのジオサーマルをジオ・テックに切り替えたわけではない。
マックパック製品の中でジオ・テックを採用しているのは、現在の所ジップ・ザップとビーズ・ニーズだけであり、サーマルアンダー・ウェアのラインナップは相変わらずジオサーマルを採用している。
私自身もそれでいいと思う。
普通の下着としてはジオサーマルの方が適している面も多いと思うからだ。
全面的に切り替える必要は全く感じない。
さて、マテリアルの拡大写真をお目にかけて、この新採用生地ジオ・テックを見てみよう。
左が1999年モデル、つまりマックパック社製のジオサーマル生地であり、右側が2000年モデルから採用されたモルデン社製のジオ・テックという生地だ。
裾部分をずらして撮影したもので、真ん中で互いに接している部分が肌に触れる裏側、左右外側がそれぞれの表面側の生地だ。
実際にはもっと濃い色目で1999年モデルが濃いチャコール・グレー、2000年モデルはほぼ真っ黒なのだが、生地を見やすくするためにぐっと明るく修正しているのでその点ご承知置きいただきたい。
ちなみに赤い部分に使われているポーラーテック100は変化なしだったので特に触れない。
2000年モデルから新たに導入されたモルデン社のジオ・テックという生地は、詳しく言えば同社の有名なフリース生地、ポーラーテックのパワー・ストレッチ・シリーズの1つに属するものらしい。
もう1度画像を見ていただきたい。
小さな画像で見にくいかもしれないが、ジオサーマルは表も裏も全く同じなのに対し、ジオ・テックの方は裏と表が違うのがお分かりいただけるだろうか?
スムーズな表面に対し、裏面はポロシャツに使われる鹿の子編みのような感じになっている。
この両面を違う加工にしてあるのがこの生地の威力の秘密らしい。
たぶん今日本でもこの生地を使用したウェアはアウトドア・ショップに並んでいるのだろうが、自他ともに認める繊維オタクの私としては迂闊なことに、この生地の事はまったく知らなかった。
ま、そういう生い立ちは置いておいて印象を述べると、この生地はどちらかというとサーマルアンダー生地とかフリース生地というよりも、むしろジャージの生地に近いという感じをうける。
先に「下着としてはジオサーマルの方が適している面も多い」と書いたのは、そういう理由だ。
もちろんジオ・テックも伸縮性は備えているのだが、ジオサーマルほどブカブカといくらでも伸びるわけではなく、むしろ窮屈なほど体に貼り付いてくるしっかりしたものだ。
着心地重視の伸縮性というより、フィット感重視の伸縮性といえばいいのだろうか。
だから着脱は非常に大変になってしまった。
特にビーズ・ニーズの裾は強烈にタイトで、立ったまま履くのは困難なほどだ。
座り込んで力をこめないと足が通らない。
その代わり当然ながら、フィット感は抜群に向上したし、それに伴って保温性も格段にアップした。
特に濡れた時の保温性は旧モデルとは全く比較にならない。
濡れてもフィット感を失わないため、体にピタリと貼り付き、体温を逃がさない。
両面を別加工してあるのは主にウィック性向上のためらしいが、そのために濡れによる不快感はゼロ。
乾きも速い。
性能がアップしたなんていう生易しい話ではなく、もうレベルが全然違うといって差し支えないほどなのだ。
着脱が大変なほどフィット感がいいからといって、ウェットスーツのような窮屈感があるわけではない。
むしろ着てしまえば非常に着心地がいい。
先ほど「窮屈なほど体に貼り付く」と書いたのはあくまでも喩えであって、実際に窮屈なわけではないのだ。
それはビーズ・ニーズの裾も同じだ。
別段足首が締め上げられて苦しいなんてことはない。
というわけで、フィット感に関しては着脱時の窮屈さ以外は文句なしに改善されたわけで、それに伴う性能の向上は目を見張るものがある。
だから現在では普段は1999年モデルを使い、よりシビアな状況が予想される時に2000年モデルを着るという風に使い分けている。
着心地の面でもブカブカとしてよりリラックス出来る1999年モデルと、ピタッと体にフィットして適度な緊張感を与えてくれる2000年モデルという感じなので、こういう使い分けには気分的にもピッタリだ。
一方の耐久性の方であるが、2000年モデルのほうはまだ穴が開くほど使い込んだわけではないのでこの点についてのインプレッションは少々時期尚早かもしれない。
ただ数ヶ月使ってみた印象だけでいえば、やはりジオサーマルとは比較にならないほど丈夫なような気がしている。
少なくとも以前より弱くなったという事は断じてありえないので、これも改善されたといっていいだろう。
というわけで、2000年モデルの登場により、気になる点はとりあえずなくなってしまった。
つまり一応完成の域に達したアイテムだといって良いのではないか、というのが私の感想だ。
このジオ・テックという生地は個性が強いので、アイテムを選ぶ生地といえると思うのだが、少なくともジップ・ザップ、ビーズ・ニーズにはピッタリだと思う。
重箱の隅をつつけば、
「もしモンベルが同じ物を作ればポーラーテックとジオ・テックの縫い目部分をフラットシーム処理してゴロゴロ感をなくすだろうなぁ」
と思う程度だ。だが、実はこれも着てしまえば別段ゴロゴロ感を感じる事はない。
だからモンベルだったらやるだろうな、とは思うものの、マックパックに改良しろというリクエストを出すほどのことでもない。
かえってそんな事をして価格をあげられると迷惑だという気もするほどだ。
むしろ敢えてリクエストを出すとすれば、
「色目は1999年モデルの方が良かったから、元に戻してくれ。
マックパックのマークも旧タイプの方が良かったから戻してくれ。」
ってなところだろうか。
赤/黒、及び青/黒という2タイプのツートンカラー自体は同じなのだが、2000年モデルのコントラストの派手な色目は、私は好きではない。
1999年モデルのくすんだ色目の方が落ちついていて良かった。
派手派手路線はフェアリーダウンにまかせておいて欲しいと思うのだが・・・。
おぉ、そうだ!
もう1つ大事なリクエストがあるのを忘れていた!
サイズがSまでしかないため、Ryokoはジップ・ザップは持っているものの、ビーズ・ニーズを買えなくて困っている。
是非ともラインナップにXSを加えて欲しいものだ。
ともかく、コイツはサーメットと違って嵩張るモノでも重いモノでもない。
だからニュージーランドにお越しの際は、コイツを自分用のニュージーランド土産に買って帰ることをアウトドアズマン諸兄にお薦めしておこう。
たいていのアウトドアショップで取り扱っているはずだ。
≪問合せ先≫
Macpac Wilderness Equipment Ltd.
11 Moncur Place, Christchurch, NEW ZEALAND
Ph : +64-3-338 1106
Fax: +64-3-338 1198
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