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久しぶりの『危機管理考』更新だが、今回は大変にうれしく、そして有益なニュース。 ニュージーランドの商業シーカヤック界に身を置いて一番感動したことの1つに、過去の事故の教訓がキチンと活かされていることがあった。 「インシデントレポート」がキチンと残っており、場合によってはそれが流通して教育機関などで使われたりもするのだ。 恥ずかしながら、自分自身も会社のツアー中にプレ・インシデント(もうちょっとで事故になりそうだった事態。日本では「ヒヤリ・ハット」ともいう。)を起こしたことがあり、その時はインシデントレポートを書いて提出した。 その後日本のシーカヤック界のことを知るようになるつれ、今の日本シーカヤック界には、このインシデントレポートのシステムを導入することが必要と痛感。 特にインターネットを利用すれば、日本全国のシーカヤッカーが事故情報を提供し、分析や対策を討論することが可能になる。 こうなると、先進国ニュージーランドが蓄積した情報を、短期間で凌駕してしまうことも大いに可能だ。
プロ、アマを問わず、出会うシーカヤッカーに片っ端からこの構想を語っていたが、なかなか
で、結局盟友吉川 寛とともに、自らこの構想に着手するはめになってしまったのが『漕海屋』。
ご覧いただければおわかりの通り、いわゆる「事故」の範疇に入れていいものから「ヒヤリ・ハット」まで、色々なレヴェルのインシデントが報告され、それに対して分析や対策が議論されている。
議論が出尽くしたものは、別ページに『インシデントレポート』としてまとめられている。
もちろん、これを読めばすぐに事故が防げる、なんていうインスタントなものではない。
マニュアル過信が危険なように、インシデントレポートを読んだだけで安心できるものではない。
また、ある程度の経験がないと、報告されている事故の状況を想像することさえ難しい場合だってあるだろう。
ただ、そのことを踏まえた上でも、やはりインシデントレポートBBSやインシデントレポートの価値は計り知れないと思う。
自動車の運転でも同じだが、「潜在している危険を認識できるかどうか」が安全確保のために一番大切なことは言うまでもない。
危険が目の前にあるのに、それに気づかない。
それがどれだけ危ういことか、言うまでもないだろう。
私の自論は「体験と経験は、イコールではない」というものである。
詳しく言えば、「経験とは、体験を教訓として消化して未来に活かせる形で保存されたもの」である。
よく 逆に言えば、個人の体験年数は少なくとも、多くの人の体験を効率的に取り込んで、きちんと経験として活かせる人は、年数以上の経験値を積むことだって可能だし、その例を私はこのシーカヤック産業先進の地で、非常に数多く目にして来ている。
日本には『三人寄れば文殊の知恵』という良い言葉がある。
事故対策、危機管理に関する経験だって、例外ではないと思う。
しかしながら、重ねていう。 ともあれ、このインシデントレポートのシステムが日本シーカヤック界に受け入れられ、皆が安心して自分の体験した事故やヒヤリ・ハットを報告して議論の俎上に提供できる雰囲気が定着することを、切に願って止まない。 |
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