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その3 雨具







 Ryu制定『アウトドア・ギア三種の神器』の最後の神器、雨具の回だ。
 いきなり余談で恐縮だが、日本とニュージーランドを比べて気づいたことがある。 日本人はなぜか『カッパ』を嫌い傘を使いたがるが、キウィ(ニュージーランド人)は逆に傘を嫌い『カッパ』を着たがるという事だ。 お国柄っていうのがよく出てて面白い。

 さて、とにかく日本人はカッパ嫌いだ。 だからアウトドアに出かける際も日帰りだったりすると雨具を持たずに行ってしまう方が意外に多いようだ。 言語道断、論の外である。 畏れ多くもかしこくも、雨具は『アウトドア・ギア三種の神器』の1つなんである。 絶対にお忘れのないように!

● 雨具は専用品を

● スパッツの薦め

● 使ったらとにかく洗う






● 雨具は専用品を

 日本は雨大国である。 だから個人的な意見では雨具は断然日本製がお薦めである。 外国超一流ブランド品も悪くないのだが、体型の問題等も含め、やっぱり日本製を贔屓してしまう。 ま、外国ブランドも日本のフィールドや日本人の体型、体力を考慮した製品だったら問題はない。 だから外国ブランド品を欲しいと思ったら、その点はちゃんと確認した方がいい。 ブランドイメージだけで飛びつくのはお薦め出来ない。

 1990年代後半、ザ・ノース・フェイスのいわゆるマウンテンジャケットというヤツがファッションアイテムとして大流行した。 多くの若者が『原色&黒のツートンカラーのナイロンジャケット』に身を包んで街を闊歩していた。 雨が降ると「本領発揮!」とばかりに、傘をささずに颯爽と歩いている少年少女もよく見かけた。 他ブランドの類似製品もよく売れていたし、しまいにはスーパーマーケットなどで無名三流品(つまりデザインだけ真似た安物)が流通するようになったほどだ。

 この一世を風靡してしまったツートンカラーのマウンテンジャケット、これはいうまでもなくシェラ・デザインズのマウンテン・パーカを祖先とし、ゴアテックスなどの防水透湿素材の遺伝子を組み込んで高所登山、極地探検などに対応すべく進化してきたものである。 もちろん雨具としての防水性は完璧に満たしている。 だから雨具を購入する時、このタイプを買おうとする方は少なくないようだ。 「どうせだったら色んな用途に使える高機能な道具を1つ買った方が得」という発想だろう。

 ところがちょっと待って欲しい。 確かにその発想自体は正しい。 アウトドア・ギアを選択する際の基本姿勢だ。 ただし、今回はちょっと事情が違ってくるのだ。

 このタイプのウェアは高所、寒冷地での使用を前提にしてあるので、防水性のみならず保温性や耐久性にも重点がおかれている。 翻ってアウトドア・シーンでの一般的な雨具使用状況を考えてみよう。 主に皆さんがフィールドに出るのは春〜秋、しかも高所登山ではなく比較的標高は低いことが多いのではないのだろうか? こういうフィールドでこの手のウェアは、暑すぎてとてもじゃないが着てられないのである。 しかも嵩張って重い。 夏季の日帰りハイキングに気軽に持っていけるシロモノではない。 だからといって雨具を持たずにフィールドに出るなんで言語道断だ。

 つまり、マウンテンジャケット&パンツは雨具として使える防水性があることは確かだが、日本の夏季の雨具にピッタリとはいいがたいのである。 気候が穏やかな所にお住まいの場合はマウンテンジャケット&パンツだけで雨具を兼用することも出来るのだが、やはり日本の場合は雨具は軽量、コンパクトを主眼に選びたい。

 ちなみに私は雨具とマウンテンジャケット&パンツとは別に用意している。 ニュージーランドの気候は日本に比べれば穏やかなのだが、どちらの使用頻度が高いかといわれればやはり桁違いに雨具の方だ。 マウンテンジャケット&パンツでないと対応出来ないのは積雪期くらいのもので、普段は軽くてコンパクトな雨具の方をウィンドブレーカーとしても活用している。 ちなみに愛用の雨具はモンベル ストーム・クルーザー。 現在愛用中のものは私にとって2代目のストーム・クルーザーだが、初代はまさに発売直後の初期型タイプだった。 2代目を手にしたとき、10年で恐ろしく軽く、小さく、しなやかに進化していて本当に目を見張ったことをよく覚えている。 現在では男女用それぞれ体型によって2タイプが用意されているのもお見事というほかないし、痛みやすいパンツだけ別売りで買えるのもホントにありがたい。 今のモデルがダメになっても、きっとまたさらに進化したストーム・クルーザーを手にすると思う。 他のものはともかく、雨具だけはニュージーランド製を買う気にはなれない。


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● スパッツの薦め

 前項でマウンテンジャケット&パンツと雨具の使い分けを述べたが、要は両者の違いは極論すればボリュームの差だけだ。 つまり気候が穏やかな際には雨具の上着を防寒用(ウィンドブレーカー)として使用してもなんの支障もない。 私がそのように使用していることも前項で述べた通り。

 また逆に雨具のパンツだけを使用することもある。 例えば朝露の激しい草地を歩く時なんかは、濡れるのを我慢してないでさっさと雨具のパンツを穿いてしまった方が賢明だ。

 だが実をいえば私はそんな時はたいていロングスパッツを使う。 せいぜい膝まであれば用は足りることが多いし、ブーツを履いたまま着脱するのもスパッツの方が簡単だ。 少々の雨だったら雨具の上着+ロングスパッツだけでも十分用が足りてしまうこともある。 別に濡れる心配がない場合にも藪こぎする時、砂埃のたちやすい場所を歩く時など、私は事あるごとにスパッツを使う。 特に短パンで行動する場合には、1日中スパッツを着用しっぱなしってこともある。 積雪期にはマウンテンジャケット&パンツを着用するわけだが、この場合もパンツの上からさらにスパッツを使う。 これがあるとないとでは保温性が全く違うからだ。 雨具などに関しても、最初に痛むのはパンツの裾だ。 擦れと汚れによって防水透湿素材メンブレンが劣化して剥離してくる。 スパッツを併用すれば雨具の寿命が各段に延びる。

 かくも便利なシロモノなのである。 高いモノではないので1つ持っておいて絶対に損はない。 ショートスパッツは埃避けくらいにしか役に立たないので、ロングスパッツをお薦めする。 ホンのちょっとの長さの違いなのにこれだけ用途、守備範囲がガラっと変わってくる道具も珍しい。

 ちなみに私が使用しているのはゴアテックス仕様のものだ。 ただの防水生地の安いシロモノもあるが、やはりここは防水透湿素材を選ぼう。 蒸れるのはやっぱり厄介だ。


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● 使ったらとにかく洗う

 ゴアテックスを始めとする多孔性防水透湿メンブレンは汚れに極めて弱いという事は前章その2 靴で述べた通りだ。 これは雨具でももちろん全く同じ。 だから、見た目に汚れていようがいまいが、使ったらとにかく洗濯しよう。 もちろん洗濯機で洗ってかまわない。 擦れに弱いから洗濯機で洗うなという意見もあるが、そこまで神経質になる必要はないと思う。 もちろん心配性の方は軽く手洗いしても一向に構わない。

 ただし、洗濯機を使用するときは他の洗濯物とは分けよう。 別に一緒に洗ったらどっちかが痛むっていうわけではないのだが、なんせ雨具ってのは完全防水のデカイ布切れだ。 こんなモノを普通の洗濯物と一緒に洗濯機に放り込むと、全然脱水が効かないという事態が起こる。 どうせだから最初から別に洗ったほうが賢明だ。


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