マオリ
NZは陸棲哺乳類の存在しない約7000万年前に、すでにゴンドワナ大陸から分裂独立していたため、長い間コウモリ以外の哺乳類の住まない土地であった。その結果、Kiwiなどの飛べない鳥をはじめとする鳥の楽園が形成された。
この地に初めてやって来た人類が、Maori。Maoriは文字を持たなかったため、伝説の形でしか記録が残っておらず、諸説あるが8〜9世紀ごろにポリネシアから渡ってきたとされている。彼らの伝説によると、彼らの故郷は"Hawaiki"(ハワイキ)という所で、そこから巨大なカヌーに乗って移住してきたという。Hawaikiの場所についてもタヒチあたりともマルケサス諸島あたりとも言われ、いまだに特定できていない。
彼らはイヌ及び食料に紛れ込んでいたネズミをこの地に持ちこんだが、これによって7000万年続いた鳥中心の生態系は大きく変化することになる。
現在よく知られている伝説によると、Maoriは14世紀に巨大カヌー10艘でこの地に到着し、先住民Moriori(モリオリ)を征服、そして彼らはこの地を"Aotearoa"(アオテアロア) - 白く長い雲のたなびく地 - と呼んだということになっている。しかしこの伝説については疑問があるらしい。
まず、最近の科学的年代測定によると少なくとも9世紀にはMaoriはこの地に定住していた事が分かっている。一方Morioriは、NZ本土の東約1000kmに浮かぶChatham Island(チャタム島)の先住民であり、NZ本土にはいなかったのである。
またAotearoaの名は、実はAucklandの北東に浮かぶGreat Barrier Island(グレート・バリア島)のことであったらしく、現在言われているようにNZ全土を表す言葉では無かったらしい。ヨーロッパ人がNZ全土を指す言葉と錯誤し、それが一般化してしまったもののようだ。
このような間違った伝説が流布してしまった原因は、19世紀のヨーロッパ人考古学者達の誤解と、自身の伝統を暴かれることを嫌ったMaoriの偽証によるもののようだ。
さて、この地に到着したMaoriの歴史は"Moa-hunting-period"(モア狩猟の時代)と"Post-moa-hunting-period"(モア絶滅後の時代)に分けられる。Moa(モア)とはかつてこの地で栄えた史上最大級の鳥(最大のものは体高3m以上)であり、やはり飛ぶことが出来なかった。移住当初、MaoriはMoahunterとして狩猟中心の生活を送ったが、ほどなくMoaは絶滅。それ以降は狩猟・採集を続けながらも農耕の比重が大きくなっていく。栽培したのは主にHawaikiから持ちこんだ主食、Kumara(クマラ。サツマイモ)である。
彼らは最後まで鉄器を使用することは無く、18世紀にヨーロッパ人と出会うまで石器を使用していた。中でも重要だったのが、現在でもNZの特産品である南島西海岸特産のJade(ジェイド。ヒスイのこと)。Greenstone(グリーンストーン)、あるいはMaori語でPounamu(ポウナム)とも呼ばれるこの石は、高貴な身分のしるしとして全国各地のMaoriの間に流通していた。鉄器を使用しないにもかかわらず、彼らの加工技術は極めて高かった。
|