|
2月1日、3日目の様子をVol.4の前半編、Vol.5の高山植物編と2回にわたってご紹介してきました。
Part 3となるこのVol.6は、いよいよ3日目後半編です。Mackinnon Pass(マッキノン・パス)に次ぐハイライト、Sutherland Falls(サザーランド滝)がこの行程の見所です。
さて、Mackinnon Passを過ぎ、ここからは下りになります。
下りは楽だと思うのは大間違い。
山歩きをされた事のある方にお分かりだと思いますが、実はキツイのは下りのほうなんです。
腿が張ってくるのはまだいいんです。
膝や足首に負担が掛かり、筋肉が疲労して体重を支えきれなくなった所で捻挫します。
このMackinnon Passの場合は、登りよりも下りの方が勾配きつく、路面自体も荒れてます。
ですから今回ご紹介する部分がMilford Track最大の難所といっても差し支えないでしょう。
実際ドイツ人の女の子がかなりひどい捻挫してました。 この日の行程は上に書いたとおり、14km 6時間です。 これは寄り道しないでMintaro Hut(ミンタロ・ハット)からDumpling Hut(ダンプリング・ハット)へまっすぐ向かったときのもの。 実は名所のSutherland Fallsは脇道を30分ばかりそれたところにあるんです。 ですから最低でも1時間は余分にかかります。 その意味でも今回ご紹介する行程が一番大変な部分と言えるでしょう。 この日晴れてくれたのは本当にラッキーでした。 さすがに雨風の中この行程を歩くと、肉体的にも精神的にもやっぱりかなり疲れるでしょうから・・・。 さて、写真の方に参りましょうか。 |
|
|
| |
|
Vol.4の最後でご紹介したMackinnon Pass最高地点からホンの目と鼻の先の位置にMackinnon Pass Shelter(マッキノン・パス・シェルター)があります。
Guided Walk(ガイドウォーク)とIndependent Walk(個人ウォーク)では、利用できる建物が別々になっているのが普通なんですが、ここは両ツアー共同のShelterです。
でも部屋も入り口も別々。
ガイドウォーカーのみなさんはストーブつきの部屋で、用意された暖かい飲物で暖をとってらっしゃいましたが、個人ウォーカーの部屋の方はずいぶんと殺風景です。
それでも風がしのげるだけでも非常にあり難かったですね。 ちなみにこのShelterには外に水道があります。 ここからまだまだ先は長いですからしっかり水を補給しておきましょう。 Shelterの向こうに見えている山はVol.4でご紹介したMt. Elliotです。 拡大画像は室内(個人ウォーク用部分)です。 | これはMackinnon Pass Shelterのトイレです。 Milford Trackに来る前に、これからAbel Tasman Coast Trackを歩かれるというMix’s TeaRoom のミックスさんと情報交換したんですが、そのとき彼が「お薦めスポット」として教えてくださったのが、この「トイレからのU字谷の眺め」でした。 これはTe Anau側、つまり今まで歩いて登って来た側のU字谷です。 なんとトイレのガラスが素通しで、用を足しながらこの雄大な眺めが一望できるんです! 覗かれる? う〜ん、その恐れは大いにあるでしょうねぇ・・・(^_^; でも実は困ったのはそんなことじゃないんです。 前回Vol.4では触れなかったんですが、実はこの日、このTe Anau側から物凄い強風が吹きつけてたんです。 特に強烈だったのが、吹きっさらしになってる最高地点からこのShelterにかけての一帯。 もう寒いのなんのって! 真夏というのに体感気温は0℃前後って感じでした。 いえ、寒いのはいいんです。 そんなのは覚悟の上で、それなりの装備で来ましたから。 何が困ったって「風が強くてトイレのドアが開かなかった」ことですよ!! この写真撮って、いざ出ようとすると、全身の力で押してもドアがビクともしないんだから驚きでした。 | |
| 内部を見たい! | もっとよく見たい! | |
|
|
| |
|
すでにMackinnon Memorial(記念碑)の所でたっぷり休憩してたので、Shelterではあまりゆっくりしませんでした。
いよいよ下りに入ります。
ルートはこのMt. Balloonの北面をジグザグに下っていきます。
下り始めるとまもなく風はおさまってしまい、着ていたウィンドブレーカーを脱ぐためにすぐに立ち止まる羽目になってしまいました。
風が無くなると、体感的には一気に10℃くらい気温が上がった感じです。
下から見上げたMt. Balloonは前夜までの雨で山全体がしっとりと濡れ、陽光を受けた山肌がギラリと輝いてました。
拡大画像は、晴れると無くなってしまうであろう、山肌を走る小さな滝です。 |
下り始めて1時間足らずでVol.4でご紹介した「氷河崩落危険地帯」を通ります。
そこで撮ったMt. Elliotの映像はこちら。 危険地帯を抜けるとまもなくブナ(Beech)の森に再び吸い込まれて行くことになります。 Mackinnon Pass以前はClinton River(クリントン川)沿いを遡っていましたが、これからはArthur River(アーサー川)沿いを海(Milford Sound)まで下って行くことになります。 ここからしばらくはTrack沿いに滝がたくさん現れ、目を楽しませてくれます。 これはLyndsay Falls(リンゼイ滝)。 拡大画像は別アングルのド迫力画像。 | |
| 小さな滝を見たい! | ド迫力画像を見たい! | |
|
|
| |
| ブナの森に入った辺りはしばらくこのような階段になっています。 かなり長い距離にわたって続くんです。 作るのもメインテナンスも大変でしょうねぇ。 DOCってエライですねぇ。 | しばらく階段を歩くとまた普通のTrackに戻ります。 初日、2日目とにた風景の中に戻ってきて、なんだかホッとしました。 Mackinnon Passの絶景に圧倒されて、やっぱり興奮状態だったんですね。 でもこの時点で、下り始めてから2時間以上が経過してます。 そろそろ膝や足首に注意しないと、ちょっとした段差で捻挫します・・・。 下りはまだまだ続きます。 | |
| もっとよく見たい! | もっとよく見たい! | |
|
|
| |
| 下り始めて3時間、そろそろ勾配がゆるくなる頃に現れた大きな滝です。 名前がはっきりしないんですが、これがDudleigh Falls(ダドリー滝)なのかなぁ・・・??? | 左の滝からまもなく釣り橋を渡ります。 向こうにはMackinnon Passで間近に見てたMt.Hartが見えてます。 これを渡るとガイドウォークの3日目の宿、Quintin Hut(クィンティン・ハット)です。 | |
| もっとよく見たい! | もっとよく見たい! | |
|
|
| |
|
Quintin Hutに到着です。ガイドウォークの宿泊施設は通常Lodge(ロッジ)と呼ばれており、Hut(ハット)は個人ウォーク用の山小屋についている名称なんですが、ここは例外。
Hutといっても立派なガイドウォーク用宿泊施設で、ミックスさんのお話によると「3つの宿の中で一番ホテルっぽい」立派なものだそうです。 このQuintin Hutの敷地の片隅に、個人ウォーカー用の施設、Quintin Shelter(クィンティン・シェルター)があります。 実はこのQuintin Hutの建っている場所がSutherland Fallsへの分岐点に当たります。 個人ウォーカーもここに荷物を下ろして滝を見に行けるように、こうしてShelterが用意されているというわけです。 |
これがそのQuintin Shelterの室内です。
ただの荷物置き場ですね(^_^; ちなみにここに写っている日本人男性が、Vol.3の最後でご紹介した名言「New Zealandは大人のディズニーランドだよぉ」を残した自称冒険家、H氏です。 このセリフ、私も大のお気に入りでよく使わせて頂いてますが、Vol.3でご紹介したらやっぱり好評でしたね。 けだし名言。 H氏はこの細い身体でウサギのようにTrackを駆け抜けていきます。 荷物はガイドウォーカーより小さい20リットル程度のデイパック1つに足元は普通のローカットスニーカー。 只者ではありません。 よい子は真似しちゃいけませんよ(^_^; | |
| もっとよく見たい! | もっとよく見たい! | |
|
|
| |
| 片道30分でSutherland Fallsです。 重い荷物を下ろしてるので、超楽勝かと思いきや、案外この道のりがきつかったりします・・・(^_^; こりゃ確かに荷物背負ったままじゃチト辛いです。 でも行くだけの価値はありますよぉ。 500mを超えるという、世界有数の落差を持つ大瀑布は圧巻です。 ここはまだ滝まで200m以上ある地点なんですが、すでにレンズが濡れてます。 |
これが滝壷。
100m以上離れてても凄まじい風と水飛沫です。
この写真は50mくらいまで近づいて撮ったものですが、せっかく息を吹き返したばかりのカメラがまた壊れるんじゃないかと冷や汗モノでした。
比較対象がないから大きさがちょっと分かりにくいですねぇ・・・。
ムチャクチャでかいんですけどねぇ・・・。 実はこの滝、滝壷部分が非常に浅いので、裏側に回ることが出来るんです。 もちろんこれは挑戦しなくては、と朝から意気込んでたんですが・・・ | |
| もっとよく見たい! | もっとよく見たい! | |
|
滝の裏? はい、行きました。 妻Ryokoは最初っからパスって言ってたんで、私一人で。 飛沫が凄すぎて写真は撮れなかったんですけど・・・。 行くには行ったんですけどね、エライ目に遭いました。 はっきり言って舐めてました。 「滝の裏に行くんだったら絶対濡れるだろうから、すぐ乾く格好で行こう。足は裸足でいいや。」 と思い、フリースのパンツにポリエステルの長袖Tシャツっていう格好で出かけました。 実際現場に行ってみると落差500mの威力は予想を100倍上回る凄まじさで、やはりとてもレインウェアが役に立つとは思えません。 だからこの段階では自分の判断は正しかったと思ってました。 ところがいざ裸足になって水に足を浸けた瞬間、自分の間違いに気づきました。 真夏だというのにFiordlandの水は触れた瞬間に痛みが走るほど冷たかったんです。 しかもここの川底は割れて尖った石だらけ。 あとから考えてみれば500m級の滝壷ですから、割れ石だらけで当然です。 その尖った割れ石が苔で滑る! 最悪です。 上から降り注ぐ飛沫と爆風のような風だけでもどんどん体温を奪われるというのに・・・。 ま、裸足で渡渉っていうのは山歩きのイロハのなかでもやっちゃ行けないことの代表格。 知っててやってるんだから、アホです・・・、どうしようもありません・・・。 もちろんここで引き返したら一生の不覚。 意地で行きました。 尖った石だらけの川の中を裸足で歩くのはタダでさえ無謀なことなのに、足は1分も立たないうちに感覚を失い、これじゃ切っても骨折しても仕方ないな、って感じになりました。 やっぱダメって言われてることはやるもんじゃないです。 四つんばいでやっと辿りついた滝の裏側は最大級の台風の暴風圏そのまんま。 物凄い爆風ならぬ瀑風。 側にいる人と話をするのに耳元で怒鳴らなきゃいけないような轟音。 そして四方八方からバケツの水を浴びせ掛けられるように降り注ぐ冷水・・・。 こんなに寒くて辛い思いをすることになるとは夢にも思ってませんでした・・・(T-T) いやぁ、ホントに凄まじい体験でした。 幸運なことに無事怪我もせず生還できました。 滝の裏では歯の根も合わずにガタガタ震えてんですが、あまりにも強烈だったからでしょう、川から上がった瞬間、今度は笑いが止まらなくなっちゃいました。
しかし、装備は100%大失敗でした。
もし私がガイドウォーカーだったら迷わずトレッキングブーツを履いたまま水に入りました。
Quintin Hutまでは30分の道のりで、しかも荷物背負ってませんから濡れたブーツでも問題無いですし、乾燥室があるそうなんで次の日までには多分乾いちゃうでしょうから。
でも個人ウォークのDumpling HutまではQuintin Shelterからさらに1時間以上歩かなくちゃいけなかったんで、どうしても靴だけは濡らしたくなかったんです。 追記;実際に雨具を着て挑戦した方達の話をいくつか聞くと、「ちゃんとした雨具だったらブーツの中もほとんど濡れない」との事です。 ですからちゃんとした雨具をお持ちの方は、スポーツサンダルである必要は無いそうです。 | ||
|
|
| |
| Sutherland FallsからQuintin Shelterに戻る途中、目の前に現れたWekaです。 これも飛べないNZ原産種の1つで、なかなかお目に掛かれない鳥です。 でも実はMilford Trackを歩いていると時折目にします。 Hutの回りでは必ずウロウロしてました。 大きさはニワトリ程度です。 | Quintin Shelterで再度水を補給し、乾いた服に着替えて再出発。 しばらく行くと湿原になり、尾瀬のように板の道の上を歩くようになります。 Sutherland Fallsが再度目に飛び込んできました。 | |
| もっとよく見たい! | もっとよく見たい! | |
|
|
| |
|
Quintin Hutから1時間ちょっと、Mintaro Hutから10時間、夕方7時半にやっとDumpling Hut(ダンプリング・ハット)に到着です。
ま、10時間といってもVol.5でご覧頂いた通り、這いつくばって花の写真ばかり撮ってたんでこんなにかかっちゃったんで、普通はそこまでかかりませんけどね。 さて、このHutは手前に宿泊棟、奥にDining & Kitchen棟の2棟から成っています。 こちらは手前の宿泊棟。 2段ベッド4つ、シングルベッド2つの定員10名の部屋が左右2つずつ並んでいます。 拡大画像は室内です。 |
こちらが奥のDining & Kitchen棟。
3つのHutの中でここが一番DiningもKitchenもゆったりしてました。
こちらも拡大画像は室内の様子です。 | |
| 室内を見たい! | 室内を見たい! | |
|
いやぁ、やっと3日目が終わりました。
本当は3日目はVol.4に全部まとめてしまいたかったんですが、どうしても写真を1ページ分に削れなくて、結局こうやって3ページにわたってしまいました。
なかなか大変な作業になってしまいましたけど、あのままデジカメが永眠していたかもしれないことを思えば、贅沢な悩みですよね。(^^)
この3日目はやっぱり素晴らしかったです。 1、2、4日目はあまり変化のない森の中のTrackですが、この日は目まぐるしく風景が移り変わり、そこそこのアップダウンもありますからMilford Trackの全てのエッセンスがこの日の行程に詰まっていると言えるでしょう。 ホントに何回も何回も言っちゃいますけど、この日ばかりはお天気がよくてホントにホントによかった(^^)
1つ追加情報です。 さて、次のVol.7ではいよいよ最終日、Dumpling Hutからゴール地点のSandfly Point(サンドフライ・ポイント)に至る4日目の模様をお届けいたします。 |
|
home>Travels & Trips>Milford Track> |
Milford Track Vol.1 Milford Track Vol.2 Milford Track Vol.3 Milford Track Vol.4 Milford Track Vol.5 Milford Track Vol.6 Milford Track Vol.7 |